これまでも泊まりはあったが、テント&寝袋担いでの歩道は初めて。
と言っても、担ぐのはテッド。私は水&食料係。
いつもはテッドとキャメルバッグが定番なので、生まれて初めてキャメルと歩く。
私の場合、消費して飲食物が減る毎に背中が軽くなるけど、テッドは、雨や湿気を含んだギアが重たくなることはあっても軽くなることは…ありがたや〜。
もちろん、飲食物を追加補充した後は、ずしっと重みを背に張り切って運ぶの当然!
名張に前日入りして、朝一番のバスで、今回のスタート地点、曽爾横和へ。
ススキで有名な曽爾高原。
この時期は、緑色のススキが風に泳ぐ海原。
緑の波の中を歩いて、先ずは一つ目の山、亀山。
後ろには、1,000m級の、よろい岳とかぶと岳が猛々しく鎮座する。
続いて二つ目の大洞山へ。
細い絹糸のような手足の蜘蛛が至る所にいる。
ザクザク歩く私の靴の下に、絹の蜘蛛がいないことを祈りながら歩く。
他にも、私達の訪問に反応して飛び回る蝉、野生の欄などなど、豊かな生態系。
そして、三つ目の尼ガ岳。
今年初めてのカッコーの声が、風にこだまする。
木に覆われた暗い桜岳を、今晩の寝床のキャンプ場を目指し、
ヒッチハイクの幸運を祈りながら歩く。
私の哲学、「心から本気で願えば叶う」。
以前歩いた時に、散々な目にあった堺市からのご夫婦に拾ってもらう。
私達の堺市の好感度アップ。
ご夫婦はメナード青山リゾートで一泊してテニスをされる予定。
キャンプ場までの距離を聞き、今晩はメナードでテント泊に決定。
トイレ、水道、テーブルとイス、しかも自動販売機までもある某穴場を発見。
ホタルがチラチラと飛び交い、最高のテント初日となる。
が…いいことばかりは続かないのが世の常。
すぐ横に走る道路、以外と深夜まで走行ありで、騒音とライトの光で熟睡できず。
夜中に鹿の訪問もあり。キューンという甲高い愛らしい声を聞く。
お陰で、翌日は早朝6時30分からのスタート。
自衛隊敷地横を通って、目指すは青山高原保険休養地、そして三角点展望台。
この日のヒッチハイクは、自衛隊員さん。
自衛隊所有車の隊員に、後ろの自家用車に頼むように言われる。
東北から移動してきたばかりの隊員さんで、私達が通りたい歩道(山道)を、
いつかは通ろうと思ってたと快く乗せて下さる。
とても真面目そうな方で、車内にある子供用の玩具に優しいお父さんの姿が映る。
そして、再び歩く。別荘地を過ぎ、三角点へと。
急勾配の階段を幾つか上る。
三角点展望台には、モーターバイクや車での人々、たこ焼き屋台と賑わう。
青山高原は、幾つかの山が連なり、その山々を繋いだ道路が走る。
常に高度が高く視界も開け、ツーリングに人気のスポットとのこと。
山からの眺めを楽しみながら歩けることを期待して歩き始めるが…
それはバイクや車での話し。歩きの山越えは、山を一つ上がっては下り、
また一つ上がっては下り…のエンドレスのアップダウン。
途中、風車展望台があり、小さく見えた展望台の真下に来た時に見上げた風車。
かなりに大きく、風もびゅんびゅん。
いつまでも続く、上りと下り。無口に修行者のように黙々歩く。
唯一の助けは、この風車が起こす風が流れていること。
このアップダウンで、この蒸し暑さの中、無風だったらと思うと…
今日も、蝉が元気。
長年、誰も歩いていないような歩道。低木の隙間を縫うように歩く。
からだが、バックパックが木に当たる度に、飛び跳ねる蝉。
時に顔に、からだに蝉が体当たりしてくる。
疲労度満点の癒しは、小川に浸した冷たい手拭い。
頭に首に結いて熱を冷ます。
笠取山を越えて小山田村、新大仏寺へ。
これまでの歩道の中で一番ハードな歩き。
終わりのないアップダウン、30km。
最高のタイミング。温泉で有名な小山田村。
温泉に食堂、併設されたキャンプ場もあると聞き、
目の前に温泉ぶら下げて、重い足を紛らわしながら歩く。
程なく、空模様が怪しくなってくる。
待望の温泉に到着し、受付でキャンプ場の値段見て、目を疑う。4,000円也。
高すぎるーー!
でも、温泉には変えられないと支払うも、ものすごいどしゃ降りに。
雷に豪雨。厚く黒い雲に覆われる。
キャンプ場をチェックするとジメジメ。
ヒッチして近くの町に行くことに決め、温泉帰りのお客さんの目の前に傘さして立つも…
殆どが家族連れで乗れる場所無し。
雨の中、きっと乗せる気も失せるよね…でも根気よく続ける。
奈良から温泉入りに来たご夫婦に救われる。
伊賀上野まで、40分位のドライブをご一緒させて頂く。
同じ山好きのお二人。駅近くのビジネスホテルまで運んで下さる。
荷物置いて、まずは腹ごしらえと夜の伊賀上野へ。
初めて訪ねる、松尾芭蕉の生誕地。
旧家が並ぶ町並みに、昼間に歩いてみたいと気持ち膨らむ。
止みそうにない強い雨の音を聞きながら、またも幸運に感謝の夜。
3日目の朝、曇り空で始まる。
松尾芭蕉の銅像が立つ伊賀上野駅からバスで小山田村に戻る。
新大仏寺から霊山目指してスタート。
途中、一瞬、鹿かと思いきや、大型犬を連れた男性とすれ違う。
アザミ、ドクダミが笑顔をくれる。
霧が立ちこめる田代湖。
近づくにつれて、霧が少しずつ少しずつ晴れてきて、湖の姿が現れる。
まるで湖が私達を歓迎してくれてるかの様に、美しい全貌を見せてくれた。
沢山の小川を横切り、大きなカエルに幾度も出会いながら歩く。
今日の歩道は、かなりかなり急な階段を上がる。
木で作られた階段も、ロッククライミングの如く、時に手も使いながら上る。
これが下りでなくてよかったとつくづく思った。
霊山の頂上。
霧に包まれシットリし、観音様が居られる。
まずは草の上に仰向けになって深呼吸。
そしたら、テッドがやって来て、寝転ぶ私の回りに点在する鹿の糞を発見。
見事に鹿の糞の上に頭を置いてました!
霊山という名から想像したのとは違い、女性三人がお弁当を広げ、初老の方々数人が歩く。
どう見ても歩いて来られた様子ではない…頂上まで続く道路を発見。
まさか、この道路をずっと下るの…現実は…その通り。
延々と、コンクリートの道路を下る。
足に堪えるため、苔や落ち葉の上を選んで歩く。そして…転ける。
杉の香り漂う歩道、もとい、車道。
柘植の町に入り、標識を探すが見つからず。
JR柘植駅は直ぐそこなのに、そこまでの歩道が分からず捜索。
地元の方に教えてもらっても間違ってるってのは日常茶飯事。
今回も間違え、そして元に戻って歩き直したりしながら、ようやくJR柘植駅に到着。
汗一杯かいた三日間、合計約75kmの歩道(時に車道)。
テントや水などを担いで、秋からの熊野古道への様子見も兼ねての歩き。
いい自信にもなった。
二日目の夜は雨となったが、歩きの三日間はひどい雨にもあわず、
この度も、山の神に感謝。
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